Wealth of Nations 拡張で海賊 Pirates が私掠船 Privateer に交替
Wealth of Nations 拡張を適用すると、従来の海賊は無くなり、その代わりに私掠船が使えるようになる。
自国の交易距離範囲内にある交易圏に、私掠船 Privateer 任務を与えた小型船 Light Ship を送り込むと、送り込んだ小型船の交易力合計に比例した交易力がそこで行使されて富が収集される。
奪い取った富は、財政画面の Spoils of war に表示される。
足場さえあれば、商人がいなくても、交易力が皆無でも私掠船は使えるので、嫌がらせするのに便利。
〔関連書籍〕 海賊旗を掲げて
雰囲気を味わうために一冊。
第一二節「黄金期」の概略的歴史
- 1492にコロンブスがイスパニオラ島に到着して以降、支配者であるスペインの利権をフランス、イギリス、オランダのバカーニア(私掠者)が荒らし続けた。
- 国際条約で私掠行為が禁止された17世紀後半~18世紀初頭にかけて、どの国家にも従わない海賊が活躍する「黄金期」があった。
- さまざまな伝説的海賊が生まれたが、すべて18世紀中盤には根絶され、黄金期は終わった。
- 著名な海賊について数行程度での簡潔なまとめあり。
第四章「神もなく、主人もなく」-黄金期における海賊行為と政治
主な海賊多発海域/海賊居留地について、海域/地域別に海賊行為と政治の特徴を解説している。
- カリブ海
- イスパニオラ島
プロヴィデンス島は、1630年代、イギリスの初期私掠基地だった。マルティニーク島は、その数十年後にフランス人バカーニアの拠点となった。ヴァージン諸島は(その中でも特にセントトマスは)、17世紀、たびたび諸国の終結地点となった。視界最もh重要な拠点はイスパニオラ島であり、初期バカーニアの溜まり場となっていた。
- トルトゥーガ
イギリス人とフランス人とスペイン人が獲得競争を続けたが、最終的には1642年にフランス側の手に落ち、総督ジャン・ル・ヴァスールがこの島を要塞化した結果、難攻不落の海上略奪基地へと変貌を遂げた。
- プティ・ゴアーヴ
- ポート・ロイヤル
- カンペチェ湾/ホンジュラス湾
- ニュー・プロヴィデンス
- マダガスカル
- 西アフリカ
海賊文献についての注記
海賊に関する参考文献のまとめが巻末にある。
余談
ワンピース、パイレーツ・オブ・カリビアンは1行だけ出てくる。
キャプテン・ハーロックは1行たりとも出てこない。
海賊たちの生き様と死に様
究極のブラック職業(船員)がいかに船長に虐待されて海賊になってしまったかについて、とても詳しい良書。とくに海賊が徹底的に討伐された後期1700-の記述が多い。
ミネルヴァ書房なので学術的な内容は確実な本。
- ウイリアム・フライ
- ロバーツ・バーソロミュー
- アン・ボニーとメアリ・リード
海賊船の名前に何とかリベンジが多い理由が分かった。
特に海賊バーソロミュー・ロバーツの生き様と死に様
カリブだけでなく、北はニューファンドランドから、東はギニアまで荒らしまわった黄金期海賊のバーソロミュー・ロバーツを軸に海賊の暮らしを描いている。偉人伝?のようで読み物としては一番わかりやすく面白い。ちなみに船名はフォーチュン系。
船をどんどん乗り換えていくところや、ひどく悲惨な環境、腐敗した王室アフリカ会社の現地総督などの話は面白い。
ガンビア Gambia とはこんなところ
彼らはガンビアに来て、ある港の沖合にいた。その港はガラッセという名前からハサルストに変わり、現在はバンジュールと呼ばれている。二つの低い砂州の上に不安定に築かれた港で、毎年、洪水に見舞われるため、「自分自身の排泄物に浮かぶ水浸しのスポンジ」と表現すべきような港だった。(p32)
ほかのところもおおむね同じで、総督は4か月くらいで死ぬらしい。
縛り首を逃れて王室アフリカ会社の鉱山で働かされる元・海賊も必ず疫病で死ぬ。
シェラレオネ Sierra Leone
シェラレオネの「ライオン山」はひと目でわかった。居住地の背後に樹木の茂る高地があり、そこにほかの木々よりはるかに大きな木が一本そびえていたからだ。広い河口は両岸が小川や入江で途切れたり、ぎざぎざになったりしていた。木々に覆われた警告で滝の轟く音が聞こえた。ここがシェラレオネと呼ばれているのは、町の向こうでライオンがうずくまっているように見えるからだ、と言う者たちもいる。(p43)
風景はかっこいが、一歩でも森に入ると猛獣か原住民に殺されてしまう罰ゲーム環境。
ウィダ港 Wida とダオメー Dahomey
ウィダ港は富をもたらす標的だった。奴隷海岸のベニン湾に位置しているので、西アフリカのなかでいちばん裕福な港なのだ。船舶はその港に寄らざるをえない。ここの黒人奴隷は価格は高いが、眼鏡で健康だ。ダオメー、つまりベニンの国王は太って好色な独裁者で、6マイル内陸に入った地区で竹で造った汚い宮殿に百人の妻と住んでいる。(p287)
現地の首長たちが近隣の村々を襲って奴隷としてヨーロッパ人に販売するので、このあたりの州の産物はだいたい奴隷になっている。
バッカニア、コルセイア、バルバリア海賊、私掠船乗り(プライベーティア)など、もっとも幅広く解説されている書籍。