カトリック両王の時代の少し手前から、現代までのスペイン史を網羅している。
カスティリャの名前の由来
城塞という意味だが、なぜそんな名前になったか。
エブロ川上流のビリャルカージョに、「バルトゥリア」と呼ばれる地域があった。イスラーム教徒とキリスト教徒が闘いを繰り広げるこの地には城塞が数多く築かれたことから、新たに「カスティーリャ」と呼ばれるようになった。
エンリケ4世のあだ名
能力オールゼロのエンリケ4世様。
世継ぎに恵まれず、エル・インポテンテ「不能王」と呼ばれた。
イサベルとフェルナンドの結婚は許可しておらず、ポルトガルのアフォンソ5世と娘を結婚させていたので、アフォンソはカスティリャ王を僭称していたこともあったらしい。
「病気の百貨店」カルロス2世の病気リスト
これだけ病気して生き延びるというのもなかなかすごい。
6歳 麻疹、水疱瘡
8歳 軽い感冒から血尿症になり、腎臓が悪化する
10歳 風疹
11歳 天然痘
32歳 髪の毛がなくなる
35歳 マラリア
36歳 病気でやせこけ、顔色が悪く青白く、憂鬱の底に沈んでいる
38歳 浮腫、失神、足や腕に震えが起こる
ヨーロッパ中が早逝を予想していたが意外に長生きしたカルロス2世の死後、スペイン継承戦争となるが、これについても詳しいのが1冊。
イギリスのマールバラ公やオーストリアのオイゲン公の戦場での活躍、トーリー、ホイッグの政争などを中心に、スペイン継承戦争の勃発から終結まで分かりやすく書かれている。
スペインの王位を得たとたんフランスが開き直って継承戦争になり、終わりは終わりで、イギリスが同盟を置いてフランスとさっさと単独和平し、ちゃっかりジブラルタルを奪っていたりなど、節操無い感じが面白い。
スペイン継承戦争―マールバラ公戦記とイギリス・ハノーヴァー朝誕生史
- 作者: 友清理士
- 出版社/メーカー: 彩流社
- 発売日: 2007/03
- メディア: 単行本
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少し前の時代に戻ると、以下の本はとても面白い。