EU3とEU4の違いまとめ
Paradox公式の40ページほどのガイド。差分なのでEU経験者には理解しやすい。
- 原題 EUROPA UNIVERSALIS III vs EUROPA UNIVERSALIS IV
EU3からEU4への変更点, p5
他のParadoxゲーム開発で得た知見や新アイデアを採り入れたほか、
- 交易システムは全面見直し
伝統の交易中心地 CoT がとうとう廃止。 - 君主力 monarch power システムを導入
収入の一定割合を技術に割り当てるシステムもとうとう廃止。
新しい君主力システム monarch power, p6
- EU4では点数が行動に使える点数に毎月換算され、プレイヤーが使い道を決めるようになった。
- 「行政」「外交」「軍事」の能力値が0~6になった。
つまり軍事リーダー leader の能力値と同じ範囲になった。
EU3では「行政」「外交」「軍事」の点数(3~9)で支配者の能力が表現され、研究、安定度、外交の判定で間接的に修正値として使われていたが、直接使う行動点に変更された。
封建制、王朝 dynasty と後継者 heir, p7
- 封建制の後継者が成年に達したら、軍事リーダーにしてもよい。
EU3では支配者 ruler 本人だけだった。
顧問 advisors, p8
EU3では顧問にやたらと種類があり、その効果もいろいろだったが、3つの君主力のどれかに1~3を加算することがまずは基本で、加えて独自の効果がある形に体系化された。
EU3は、やりすぎ感があったので少し簡単になったのは良い。あとは、肖像グラフィックが同じでなく個人単位だといいのだが。
交易システム/商人 merchants, p9
図:交易路沿いにベネツィアに富が集まるようす。
- EU1から伝統の交易中心地 CoT がついになくなり、相互に接続された交易路 trade route となった。
船舶、地図、商人の配置と適切な国策があれば通商立国も可能。 - EU3までは各CoTに商人を定期的に補充する運用だったが、商人に任務を与えて交易圏に派遣する能動的な運用となった。
- 交易の利益は、交易圏 trade node を支配する度合いでほぼ決まるので、ベネツィアやポルトガルのような交易路沿いの拡張が現実的。
縁もゆかりも無いCoTに、金目当てでひたすら機械的に商人を送り込む作業は退屈だったが、興味のある場所へ派遣するのなら、気持ち的に楽しい。
動的な史実イベント, p11
特定の日付で状況を無視して史実イベントが起こる興醒めな展開はなくなった。
EU4の改善というよりは、ParadoxゲームやMOD全般でこれまで積み重ねられた努力の結果というべき。
政策 ideas, p12
- 政策がグルーピングされ、グループ内では順番に政策を取るようになった。
政策を一定数取ると決定 decision が増える(一部禁止も増える) - 7つの国策 national ideas の系列が与えられ、君主力を使うことなく、行政3レベルごとに順次利用可能となる。
- 特に重要な国には、その国に固有の国策の系列が用意される。
- 国策を7つとも獲得すれば国家の野望(宿願) national ambition が獲得できる。
- 最初から2つの国家の伝統 national tradition が割り当てられる。
EU3ではグルーピングされてはいたものの、グループをまたいで「いいとこどり」できたので、とりあえず「新世界の探索」「合理的商慣行」取ります~的なワンパターン展開になることが多かったが、EU4では国策、使命で以前よりも各国の特色を出している。
経済, p13
- 年度ごとの歳入や、直接税はなくなり、月ごとの収支に統一された。
- 経済と技術や安定度 stability は関係なくなった。
EU3までは収入の内訳を技術や安定度に投資していたが、EU4では投資のためのスライダーすらない。
技術, p15
- 技術は君主力で購入する。
戦闘システムと技術, p17
- 技術の数を減らすかわりに、差を明確にした。
- 投入できる兵力は、技術と地形により大きく左右される。
外交, p18
- 3つまでの国を仮想敵国 rival 認定でき、仮想敵国が同じ国同士は関係改善しやすくなった。
- 領有権主張 claim ができるようになった。
バレたら評判が下がる。 - 特定の国を指定した包囲網 coalition という同盟ができるようになった。
過剰拡大 overextention, p20
- 行政君主力を投資して中核州 core を作るようになった。
時間の経過ではなく。 - 領有権主張をしておくと中核州を作るコストは低下する。
使者 envoy , p22
- 使者は、もはや単なる点数ではなく、任務に割り当てて派遣される生きた存在となった。
使者とは、外交官 diplomats、宣教師 missionaries、商人 merchants、入植者 colonists。スパイ spy は廃止されて外交官に統合。 -
使者の派遣に資金は要らなくなったので貧しい国や小国でも、大国同様に、いろいろできる。
金がないから何にもできないということは減った。 - リーダーを雇うのに外交官や入植者は必要なくなった。
陸軍伝統最大なのに将軍雇えないというイライラは無くなる。 - 植民する場合、10名しか到着しない。
貴重な入植者を割り当てられた植民地は人口増加が早くなる。
戦争, p24
- 陸軍の潰走 rout
惨敗すると遠くの州まで潰走する。 - 戦列の幅 combat width
軍事技術が進化すると幅や兵数が増大する。地形の影響も大きくなった。 - 人的資源 manpower はより貴重に、士気 moral の回復は遅く、補充は高価になった。
- 開戦時の大義名分 causus belli が何かによって、戦勝点 war score を得られる目標が異なり、和平のさいの戦勝点評価も異なる。
- 第三国に中核州を返還させる和平条件や、交易力で一定期間賠償させる和平条件などの追加。
宗教, p28
- 宗教的統一性 religious unity は税収に比例して判断されるので、裕福な異教の州は厄介。
- 入植者のボーナスは廃止。
- 宗教改革 reformation は、より分かりやすくなった。
改革切望度が上昇すると起きやすくなるなど。
安定度 stability/反乱 rebels, p30
- 安定度を上げるには、行政君主力を使う。
- 上げやすさは国土の広さと多様性ではなく、過剰拡大と政策等による。
- 反乱に屈するのも一策。
マルチプレイヤー, p32
- 従来の32名対戦に加え、途中参加 hot-joining やスタンドアロンサーバーのホスティングが可能になった。
- NAT変換が可能になったのでポートを空けなくてよい。
- AIに交替
プレイヤーが接続できないためにAIに交替している間、AIにさせたいことをある程度指示しておける。
その他の変更, p34
- 併合 annex と同化のために何度も金をかけて外交官を送るのではなく、
外交官をその国に駐在させておく方法になった。 - 騎馬民族 hordes
一定の地形で高い戦闘ボーナス