〔関連書籍〕 東洋文庫の文献を中心に、中近世のアジアの海賊について、まとめている。
オランダ東インド会社、マレー、中国(明、清)沿海の海賊の実態がよく分かる。
序論
本書のサマリーになっている。
イギリス、オランダ、フランスがそれぞれ設立した東インド会社の基本的な性格、国による差異などが説明されている。
アジア最悪の海賊であるオランダ東インド会社への江戸幕府の罵詈雑言が並べ立ててあり面白い。
オランダ人は、皆が考えているような者ではない。彼らは海賊と気脈を通じ、獲物を分け合っている
貴下(オランダ商館長)が海賊を働き、他の人々の品物を奪った時は、商品を日本にもたらし、貴下が海賊を働かなかった年には、殆ど空の船で来るのだ
第2章 貿易と暴力 - マレー海域の海賊とオランダ人、1780~1820年
第3章 ヨーロッパ人の植民地支配と東南アジアの海賊
マレー海域の海賊について。マラッカ、ジョホール、ポンティアナック、リアウ、シンガポール
第6章 屏風に描かれたオランダ東インド会社の活動
「寛文長崎図屏風」にはオランダ旗を掲げた唐船や、東南アジアの地名が描きこまれている。屏風の各部分(隻、扇)それぞれについて解説があり参考になる