〔関連書籍〕 図説 大西洋の歴史―世界史を動かした海の物語
大西洋を中心に、古代から近代までの歴史を概説。新大陸にまつわる、様々な伝説についてもけっこう説明がある。
1 大西洋 - 暗黒の海
ヴァイキングによる北米大陸の発見について書かれている(ヴィンランド)。
2 探検と新大陸発見 ‐ ヨーロッパ人と新大陸の出会い
ポルトガルのエンリケ航海王子、コロンブス、ヴァスコ・デ・ガマなど、いわゆる大航海時代の発見について書かれている。
コロンブスのかました様々なはったり、ヴァスコ・デ・ガマの凶悪さ(しかしゴアでマラリアにやられてあっさり死亡)などが面白い。
新大陸にまつわる、様々な伝説についてもけっこう説明がある。
若さの泉 Fountain of Youth
ポンセ・デ・レオンが本土に渡った理由は、スペインの砂糖プランテーションのための奴隷や知られざる富を求めていただけでなく、ヨーロッパ人の大航海時代よりもはるか昔の伝説が語る、若返りの泉をたたえた青春の泉を探していたからだという。 (p120)
サゲネー Saguenay
しかし彼(ジャック・カルティエ)は、それよりもはるかに興味深いもの遭遇していた。陸地の探検を進める途中、イロコイ族の酋長ドンナコナと出会ったのである。酋長は、内陸にあるサゲネーという王国についていろいろ語って聞かせた。そこには、膨大な量の金、銀、その他の財宝が出る鉱山がいくつもあるという。ドンナコナが言うには、その王国には香辛料がとれる広大な畑があり、ルビーでみを飾る人びとが住んでいる。酋長が次々に繰り出す話を、カルティエはすっかり真に受けた。 (p84)
シボラ Cibola
驚くほど豊かな<シボラの7つの都市>は、コンキスタドールの野望をあおった。誰よりも刺激されたのはエルナンド・デ・ソトだ。(中略)ソトは600名もの軍勢を率いてタンパ湾に上陸したあと、その途上で遭遇した先住民たちを襲ったり殺したりしながら、内陸へと行軍を始める。 (p129)
キビラ Quivira
コロナドの一行は、(中略)住民が金のボウルで食べ、金の水差しで飲むという、キビラと呼ばれる新たな黄金郷 El Dorado の話を耳にした。しかし彼らは、黄金の都市など見つけることができなかった。(中略)シボラの7つの都市などなかった。黄金のキビラなど存在しなかった。しかし、デ・ソトとコロナドの探検は、植民を待つ途方もなく広大な土地があることをスペイン人に知らしめた。 (p130)
4 植民地 - 新世界への移住
大ブリテン王国、スペイン、ポルトガル、フランスなどの植民政策が書かれている。
フランス人の狩りと貿易のやり方はスペイン人とは正反対で、多くのアメリカ先住民部族と親しい関係をもつという特徴があったが、これは先住民の狩人と猟師が必要だったことから生じたものだ。多くのフランス人猟師や交易商人がアメリカ先住民と一緒に暮らしただけでなく、先住民女性と結婚もしていた。
当初は重要視されていなかった北米大陸の植民地の価値に気づいていく。
ノースカロライナでは、松ヤニや船舶用樹脂など、イギリス商業の安定に必要な産物が、植民地の成功に欠かせない存在になっていく。サウスカロライナでは、米と、染料として使われるインディゴが、植民地経済にとって重要産物になった。
5 奴隷制度
当初のエンリケは奴隷売買を禁じようとしていたのだが、先のポルトガル入植者たちは、アフリカ沖の島々で砂糖が大きな資金源に成長することを発見し、アフリカ人の奴隷を労働力として使いはじめた - そして、常に利益こそがすべてだったエンリケは方針を逆転させた。
ティンブクトゥの栄華。
西暦1100年ごろに遊牧民のトゥアレグ族によって確立されたティンブクトゥは、サハラ砂漠を横断する貿易での重要な役割をとおして、巨万の富をかかえる都市へと変貌した。金、象牙、塩、その他貴重な品々が北のイスラム圏からティンブクトゥに持ち込まれ、ニジェール川に停泊する船へと運ばれていった。14世紀から15世紀にかけては、ガーナ王国、マリ帝国、サンギ帝国など、後に続く複数の帝国の基礎になった。
6 アメリカ独立革命、7 その影響、8 産業革命 ...
面白いがEU4の時代ではないため説明略。