ヨーロッパ・ユニバーサリス4とは(Europa Universalis IVとは、EU4とは)
ゲーム概要
大航海時代の始まりからワーテルローの戦いの後までの400年弱(1444~1820)を1日単位で扱うリアルタイム戦略ゲームです。正式名称だと長いのでEU4と略されます。
その名のとおりヨーロッパ中心のゲームですが、その期間中に存在した世界中の国(帝国・公国・侯国・辺境伯領・市・司教領・氏族・部族など)でプレイできます。
オスマン | 圧倒的な陸軍力で周囲全部を張り倒していきます。 |
カスティリャ | イベリア半島を統合して新世界とヨーロッパの両方で暴れます。 |
フランス | イングランドを叩き出し、ブルゴーニュを潰してヨーロッパで暴れます。 |
イングランド | 海軍力で他国の経済と交通を封じ込め、新世界に入植し、大陸に介入します。 |
オーストリア | 神聖ローマ帝国皇帝に居座り、中央ヨーロッパを制します。 |
ポルトガル | 南アフリカ航路を発見してインドとアジアに進出し、通商国家となります。 |
アステカ | なすすべもなく征服されます。 |
世界史好きにオススメ
EUシリーズは、史実の雰囲気を大事にしています。複雑な世界史、政治史、外交史のキモの部分をうまく再現しており、国ごとに違った戦略でゲームを楽しめるようになっています。
ポルトガルやオランダなら、野心的な周辺国との関係に冷や冷やさせられながらも、飛び石づたいに新大陸やアジアに交易路を構築して圧倒的な通商国家をめざすことになるでしょう。
フランス、スペイン、オスマン、ロシアなら、豊富な人的資源を生かして陸軍力で大陸の覇権を狙うことになるでしょう。ただし調子に乗りすぎると包囲網が形成され、敵国よりも自国内の叛乱に悩まされることになります。
決定版 大国の興亡―1500年から2000年までの経済の変遷と軍事闘争〈上巻〉
- 作者: ポールケネディ,Paul Kennedy,鈴木主税
- 出版社/メーカー: 草思社
- 発売日: 1993/02
- メディア: 単行本
- 購入: 1人 クリック: 41回
- この商品を含むブログ (20件) を見る
イングランドなら海軍力を整備し、ブリテン島には絶対に上陸させず、決定的瞬間まで大陸には上陸もせず、遠地はどこでも荒せるように海軍力で覇権を狙うことになるでしょう。
日本人なら一度は試す日本の扱いは?
朝鮮出兵位しか海外進出がなく、戦国時代の後は鎖国して300年間の泰平の世を謳歌したのでEU4では端役です。
日本で世界を狙うなら、ヴィクトリア Victoria(VIC)かハーツ・オブ・アイアン Hearts of Iron(HoI)のほうがよいでしょう。
勝利条件は無きに等しい
気の長いゲームですが、奇妙なことに途中でプレイヤーの勝ちを確定するような勝利条件は何もありません。
400年弱プレイした最終日に行政・外交・軍事の順位が全世界でNo.1ならば勝利といえますが、ほとんどの人は途中で満足して中断するか、失敗に気づいて投了することでしょう。
1日単位なのはVicやHoIでも同じですが、EUは期間が格別長いわりに展開が遅いので、技術開発ひとつにしても相当に時間がかかります。
世界地図は史実どおり
世界地図もランダムではなくて、現実世界そのままです(拡張を除く)。
とはいえ未知の土地として見かけ上隠されてはいるので、交易路と植民地を求めて探検家を派遣して地理上の発見を進めていくことはできます。
- 作者: エディットユイグ,フランソワ‐ベルナールユイグ,Edith Huyghe,Fran〓@7AB7@cois‐Bernard Huyghe,藤野邦夫
- 出版社/メーカー: 新評論
- 発売日: 1998/02
- メディア: 単行本
- この商品を含むブログを見る
しかしそもそもプレイヤーは世界地図を知っているので、「いつ・どの方向に・何の目的で発見しに行くのか」と組み合わせた上での判断の方を問われることになります。
国の特徴やイベントも史実ベース
国の特徴、発生するイベントなども史実ベースの地味なもので、後からじわじわ効いてくる効果のものばかりです。一気にプレイヤーが有利・不利な状況に揺さぶられるような「分かりやすさ」はありません。
なおイベントの発生条件やタイミングは、EU2、EU3、EU4と進化するごとに改善されており、かつてのように一本道で強引すぎる展開にはなりません。
楽しみ方を自分で見つけていくゲーム
シヴィライゼーション(Civilization)のように史実は味付けで、大胆にデフォルメして分かり易さを追及したゲームとは楽しみ方もかなり違います。
- 国ごとの特徴、技術レベル、地政学的な強み・弱みにあわせて戦略を使い分ける。
- 複雑に変化する情勢に合わせて同盟を組み替えたり、軍備を大胆に削減する。
- 史実どおりの戦略を試してみたり、あえてアンチ史実の戦略を試してみる。
- 信仰の守護者として狂犬のように世界中を相手に戦争
など楽しみ方を自分で見つけて、試行錯誤を楽しむゲームだといえるでしょう。